退職に時間がかかりやすい

 IT業界では欠かせない役割を果たしているのがシステムエンジニアであり、企業にとっても退職されてしまうのは大きな痛手になります。開発を続けてきたプロジェクトの途中段階で抜けてしまうことになると、そのシステム開発自体が滞ってしまうことになるからです。他のシステムエンジニアに代わって仕事をしてもらおうとしてもうまくいかないことがよくあります。

 エンジニアは個々に専門性が高く、持っているスキルや知識のバランス、発想力などに大差があるからです。代替不可能とはよくいわれることであり、他のエンジニアに同じ仕事をさせようと思ってもできないことが珍しくありません。このような特徴があることから、システムエンジニアはIT業界で退職しようとすると時間がかかってしまいがちです。一般的な職種の仕事であれば二週間程度であれば引き継ぎを行えるという想定になっていて、労働法規でも退職願を出してから二週間は働かなければならないと定められています。

 しかし、後腐れなくしっかりとした引き継ぎをしようとするとシステムエンジニアの場合には二週間で済むことはまずありません。短くても一ヶ月、長い場合には半年程度もかかってしまうことがあるのが実情です。退職して転職を考えているというときには、後腐れなく職場を去れるようにする必要性も高いものの、転職先で働き始めるために退職を急がなければならない状況にも陥ります。そうなって困らないよう、計画性を持って引き継ぎを行うことが大切です。